執筆:ヤリブ・ギドニ医師
(産婦人科・婦人科・生殖医療専門医)
代理出産のプロセスを始めるにあたり、多くの方が最初に直面する大切な質問の一つが、
「胚を1つ移植するか、それとも2つ移植するか」という選択です。
特に男性カップルの場合、「それぞれの父親と遺伝的につながる子どもを持ちたい」という想いから、この点について悩まれることが少なくありません。
この判断は、妊娠の成功率だけでなく、代理母の健康、医療面・精神面・経済面への影響も含めて考える必要があります。
すべては、最終的に安全な妊娠を経て、健康な赤ちゃんを迎えることを目指すための大切な選択です。
成功率について ― 胚1個と2個の違い
● 胚を1つ移植する場合(高品質の胚盤胞)
現在では、最も安全でバランスの取れた方法と考えられています。
体外受精(IVF)や凍結保存技術の進歩により、状態の良い胚を選んで移植できるようになったことが、その理由です。
● 胚を2つ移植する場合
妊娠の可能性がわずかに高まることはありますが、成功率が大きく上がるわけではありません。
一方で、双子などの多胎妊娠のリスクが高まるという点には注意が必要です。
双子妊娠の可能性
胚を2つ移植した場合、約25~30%の確率で双子妊娠になります。
双子妊娠は、代理母にとっても赤ちゃんにとっても、医学的にハイリスクとされる妊娠です。
医学的な観点から見たリスク
双子妊娠は、単胎妊娠に比べて次のようなリスクが高くなります。
- 早産のリスク
双子妊娠の約60%は妊娠37週より前に出産となります。
早産の場合、赤ちゃんが未熟な状態で生まれ、NICU(新生児集中治療室)でのケアが必要になることがあります。 - 低出生体重
体重2,500g未満で生まれる可能性が高く、呼吸や授乳の問題、成長への影響が出る場合があります。 - 代理母への負担
妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、貧血、腰痛、出血などが起こりやすく、日常生活に支障が出ることもあります。 - 帝王切開の可能性
双子妊娠では、帝王切開となる割合が単胎妊娠よりも高くなります。 - 「消失双胎」と呼ばれる現象
妊娠途中で一方の胚の成長が止まることがあり、妊娠経過が複雑になる場合もあります。
気持ちの面での配慮
予定親の方は、「できるだけ早く、確実に妊娠したい」という気持ちから、2胚移植を選びたくなることがあります。
しかし、妊娠は結果だけでなく、代理母にとって長く、大きな負担を伴う大切な時間でもあります。
双子妊娠では、体への負担がより大きくなり、行動の制限が増えたり、仕事を続けることが難しくなったりすることもあります。
こうした状況は、代理母の精神的・経済的な安定にも影響を与えます。
代理母が安心して、十分なサポートを受けながら妊娠期間を過ごせることは、赤ちゃんの健やかな成長にとっても非常に重要です。
費用面での考え方
- 双子妊娠にかかる費用
通院回数の増加、入院、追加治療、場合によってはNICUでの長期入院など、医療費が高くなる可能性があります。 - 一見すると魅力的に見える選択肢
男性カップルの場合、それぞれの父親の胚を1つずつ移植し、非一卵性双生児が誕生すれば、2回目の代理出産を行わずに済む可能性があります。
ただし、この場合も医学的リスクは高くなります。 - 長期的な視点
一度で2人の子どもを迎えられる可能性がある一方で、医療面・経済面での負担が結果的に大きくなるケースも少なくありません。
倫理的・法的な視点
胚を2つ移植する場合、健康リスクを実際に負うのは代理母であるという点を考慮する必要があります。
そのため、多くの国や一部の医療機関では、高品質な胚がある場合は単一胚移植を勧めています。
また、代理出産契約の中で、移植できる胚の数をあらかじめ制限していることもあります。
推奨される選択とは?
多くの場合、遺伝学的検査(PGT/PGD)を行ったうえで、高品質の胚盤胞を1つ移植する方法が、
最も安全でバランスの取れた選択とされています。
これは現在、多くの生殖医療専門医の間で共有されている考え方です。
単一胚移植は、代理母の健康を守り、早産などのリスクを抑え、
安心できる環境の中で、健康な赤ちゃんを迎えることにつながります。
私たちは、国際的に活動する代理出産・不妊治療・卵子提供のエージェンシーです。
詳しい情報については、[email protected] までお気軽にお問い合わせください。 ※本コンテンツは一般的な情報提供を目的としたものであり、医療行為の代替となるものではありません。
個別の医療判断については、必ず担当医にご相談ください。






